【 増 え る 大 腸 癌 】
 
 今日、日本で増加傾向にある癌としては肺癌、乳癌とともに大腸癌が挙げられます。大腸癌で死亡する人は人口10万人に10人にまで増えてきました。
 大腸癌の発生は、大腸そのものが下水管の働きをしており、いつも排泄する糞便で刺激を受けていることと食生活の欧米化で多量の動物性脂肪を摂ることで増えてきたと考えられます。
 大腸癌の発育は70〜80%の例で緩やかで、2〜3年以上を経て大きくなり、病院で発見されるようになります。
 大腸癌の症状としてもっとも多いのは排便時の肛門出血で、大腸癌の1/2〜1/3の人がこの理由で病院を受診します。また、痔と思って肛門科を受診される人も多く、肛門科を受診される人の1〜2%に大腸癌が発見されます。
 この大腸癌を早期に発見し、治療成績を向上させるために、大腸癌の集団検診(大腸集検)が行われるようになってきました。しかし、現在、広く行われている胃癌発見のためのバリウム飲用による胃間接X線検査に匹敵する検査法が大腸集団検診では確立しておらず、ほとんどは簡便な便潜血検査(検便)が主流を占めています。
 実際に大腸進行癌の患者に検便をしますと約90%の人が潜血陽性にでますが、早期癌の人では、半数にしか陽性となりません。そのため、検便だけでは大腸早期癌の発見が困難とされています。また実際に検査による大腸集団検診でみつかった癌の約10%くらいは前年の検査で異常がなかったとの報告もあります。
 大腸癌を確実に発見する方法には、バリウムを使う注腸X線検査とファイバースコープを挿入する内視鏡検査があります。これらの検査法は、いずれも大腸の内容物を検査前にすべて排泄させる必要があり下剤の服用や洗腸が行われます。
 大腸癌の検査を希望される方は、専門医に相談して下さい。