【 肛門のしまり具合について 】
 肛門のしまりが悪いと感じる場合には、@ 肛門のしまりは正常であるのと、A 肛門のしまりが正常より低下している場合があります。@の場合でよくあるのは、下痢が多くて時々我慢ができなくて失禁することや、実際に痔(内痔核や肛門ポリープ)が肛門外へ出てくることです。まれに、直腸のポリープや癌などの大腸病変が出てくることもあります。Aの場合としては、イ.出産時に肛門括約筋を損傷 ロ.以前に受けた痔の手術の後遺症 ハ.交通事故や他の外傷や病気による脊髄神経の損傷 ニ.原因不明の肛門括約筋の機能低下 ホ.加齢に伴う骨盤組織の脆弱化、等があります。とくに、女性では子宮脱や膀胱脱を生じ、また肛門から直腸が脱出してくる直腸脱になることがあります。
 お尻のしまりが悪くて、下着の汚れや、おならの洩れ、便が勝手に出てしまう等という症状は社会生活にかなりの支障を来たし、自宅にひきこもることが多くなります。
 この状態は、原因にもよりますが、当院で独自に開発した、便失禁や直腸脱に対する新しい手術方法により肛門をしめることで改善できます。
 また、肛門のしまりが良いか悪いかを当院で検査することができます(肛門内圧測定)。検査を希望される場合は、電話での予約も受け付けています。 北海道から沖縄まで遠方からの患者さんもあり、近隣のホテルを利用しながら受診していらっしゃいます。お困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
【肛門のしまり、直腸脱、便失禁に対する新しい大見クリニック独自の手術法】
  上に示した図は、便失禁(便洩れ)や直腸脱(肛門から腸が脱出してくる)などの肛門括約筋不全の症状を改善する方法として、当院が独自に開発した新しい手術方法です。お腹を開けることなく、お尻の穴を狭くする方法で、世界でも他に例のない方法ですが、手術は決して難しいものではありません。詳しい手術方法はこちら
 現在(2012年4月)までに61人の便失禁や直腸脱などの肛門括約筋不全(肛門のしまりが悪い)の患者さんに、この当院で開発した肛門括約筋を縫い縮める手術を行っています。そして、6ヵ月以上の経過をみたところ、再発は4名であり、88%ぐらいの患者さんに症状の消失または改善がみられ、ある程度の満足が得られています。また、患者さんの年齢は28歳から88歳まで、高齢者の方が中心ではありますが、比較的若い方もいらっしゃいます。
 この手術法は肛門の神経を再生または反応を増強するものではないので、ほぼ8割ぐらいまでの肛門機能が回復することを期待しています。手術を行った直後は肛門の穴の広さが小指から示指が入るぐらいに狭くなっていますので、糞づまりに注意をして下剤を内服します。便通は1日に2回ぐらいの下痢または軟便を出すようにします。手術後1〜2ヵ月経つと、示指が余裕で入るぐらいに少し拡がり、数ヵ月後から1年ぐらいでもう少しだけ肛門が拡がります。手術後2〜3ヵ月経った頃からは下剤を内服しないでも排便のできる患者さんもいます。
 実際の手術では、約2週間(症状によって異なります)の入院が必要となります。下半身麻酔(麻酔科専門医)のもとで、肛門括約筋を縫い寄せます。手術時間は30〜40分ぐらいです。
 この方法については、2007年以降、日本大腸肛門病学会総会等で発表を引き続き行い、2011年の11月には直腸脱と便失禁について、各々ビデオによるシンポジウムに参加しました。また、2008年7月と2011年6月に医学雑誌でも手術の詳細を報告しています。なお、この手術方法については、四国と山梨の先生方が行ってみて、いずれも良い結果を出せたと伺っています。 



New anal canal repair for rectal prolapse and rectal incontinence with inversion of posterior internal sphincter muscle were carried out of 51 patients in our clinic.