痔核の治療
痔核(内・外痔核、イボジ)とは肛門の周りの静脈がうっ血して膨らんだものであり、肛門の内側にできるのが内痔核で、外側にできるのが外痔核です。
また、内痔核が大きくなって肛門外へ脱出したものを脱肛といいます。
痔ができる一番の原因は、人間が直立するため肛門がいつも下になり、重力や腹圧がかかってうっ血するためで、そこに慢性便秘、飲酒、立ったままや座ったままの仕事、力仕事、妊娠などが加わる事により悪化します。最近では50歳以上の2~3人に1人は痔の経験があると言われています。
痔核の治療の主なものは、
Ⅰ坐剤
現在もっとも広く使われています。成分は消炎鎮痛剤が大半です。この治療法は古くは紀元前16世紀から地中海地方で行われていたようです。
Ⅱ結紮(けっさつ)療法
痔核を縛って取る方法です。
Ⅲ焼灼療法
痔核を焼いて取る方法です。赤外線やマイクロウェーブを使って凝固する方法です。
Ⅳ凍結療法
痔核を凍らせて取る方法です。痛みが強いことがあり、かなり熟練を要する方法であまり行われません。
Ⅴ注射治療(ジオンALTA注射)
痔核に薬液を注射して、痔核の血流量を減らし、痔核を硬くして粘膜に固定させる治療法です。(現在当院では行っていません。)
Ⅵ手術療法
ミリガン&モーガンの結紮切除術が広く行われています。
以上のように痔核の程度により、いろいろな治療法があります。まずは専門医に診てもらってから治療法を決めるのがよいでしょう。