Q. お腹を切らずに治療できる大腸ポリープ切除について教えて下さい。
A.
大腸のポリープは、ほとんどが腺腫と呼ばれる腫瘍です。
この型の腫瘍は年単位でゆっくり大きくなり、ポリープの一部で癌が発生することがあります。多くは”早期癌”ですが、さらに増大して腸壁の筋層にまで達する”進行癌”になっていきます。進行癌の場合、手術(開腹)が必要となります。ですから、腺腫の段階でポリープを切除することが重要です。
良性ポリープと、早期癌(粘膜まで、あるいは粘膜下の浅い部分までの癌で2cm以下のもの)はお腹を切らずに内視鏡(大腸カメラ)を用いて切除することが可能です。
通常の腺腫(良性)はワイヤーでポリープの根元をしばり電気で焼き切ります。扁平なもの、やや大きいもの、早期癌が疑われるものは粘膜下に液を注入して浮き上がらせて一括切除します(粘膜切除法)。ごく小さいものは入院不要ですが、5mm以上のものは数日間の入院加療が必要です。
組織を調べた結果、癌と診断されても、癌が粘膜にとどまっていれば転移はしませんので切除部位の定期的な観察のみで大丈夫です。しかし癌が粘膜を超えて筋層近くまで達する場合や、リンパ節転移の可能性(約10%)がありますので外科手術が必要になります。また、切除断端に癌が残っている可能性がある場合や2cmを超える大きなものも同様に外科手術の対象となります。
大腸のポリープは多発しやすい傾向がありますので、取り残しや新たなポリープの出現を調べるために1年後には再検査を行った方がよいでしょう。
大見クリニックでは、内視鏡検査にて癌の早期発見に積極的に取り組んでおりますので、お気軽にご相談下さい。