Q.肛門からの出血があります。大腸がん以外にも原因はありますか?
A.
大腸の炎症、例えば難病の潰瘍性大腸炎やクローン病、抗生物質などの薬剤が原因の大腸炎で、また食中毒や他の細菌による大腸炎、ウイルス感染による大腸炎、前立腺癌などの放射線治療による直腸炎や、他には腸管の血流異常による虚血性大腸炎、結腸憩室からの出血、月経に伴う腸管子宮内膜症からの出血、排便時に強くいきむことによる粘膜のたるみ(直腸粘膜脱症候群)から、まれに糞づまりによる直腸潰瘍などからの出血があり、時に腰痛などのために使う痛み止めの坐剤を使うことによる直腸炎からの出血もあります。
もちろん、最も多くみられる出血の原因は痔核(イボジ)や裂肛(キレジ)からの出血で、とくに飲酒や便秘で走り出る程の出血のため貧血になることもあります。
痔瘻からの出血は量が少ないことが多いです。他に、痔の注射治療の1~2ヵ月後に出血を来たすこともあります。
このように、いろいろな原因で肛門からの出血がみられますので、早めに医療機関を受診してください。