Q. 便潜血検査(検便)で大腸癌(直腸癌を含む)がわかりますか?
A.
便潜血検査は大腸がんを発見する方法として、地域や職場の集団検診や医療機関の人間ドックで広く行われています。
この検査を受けることにより、比較的早期の大腸がんが効率よく発見され、治療の向上に役立っています。
この検査は少し面倒(便を採るのが)ですが、痛みも無く、コストも安く一度にたくさんの人に行うことができるため、大腸がんの発見には良い方法とされています。
ただ、現在広く行われている便潜血検査は糞便100g内に人の血液が約0.015mlぐらい含まれている時に陽性となるようにできており、検査に出す糞便内に血液がそれ以下の量しか混じっていない時や、たまたま採取した糞便の部分に血液が混じっていなかった場合は陽性となりません。つまり、便潜血検査を受ければ必ず大腸がんが引っかかるかといいますと、若干の無理があります。
大腸がんの塊から出血があって、その血液がある濃度(量)に便に混じって、その血液の混じった便を検便の容器に確実に採取しなければ、検査で陽性とはならないからです。検査で陽性(便に血液が混じっていること)となって初めて、大腸がんの発見につながるわけです。
実際に大腸進行がんが明らかに見つかっている人でも10人のうち1人ぐらいは便潜血検査で陽性にでません。大腸早期がんの場合は、がんが確認されている人でも約半数で陰性と出ます。
そのため、便潜血検査は無症状の人から効率良く大腸がんを拾い上げるためには良い方法であり、実際に何か症状(出血、排便異常、腹痛等)がある場合は、医療機関を受診して大腸内視鏡検査を受けるのが良いでしょう。