平成27年から現在までの便失禁(便もれ)のために来院した243例に肛門括約筋を鍛える訓練を行ってきました
ほぼ8割ほどに筋力増強効果を得ています
大見クリニックがすすめる
お尻をしめる訓練法(トレーニング法)
-肛門括約筋(筋力)(増強)訓練法-
お尻のしまりが悪くて下着が汚れたり、不意にもれてしまったり・・・ 実は多くの方が悩んでいらっしゃいます。 そこでここでは、お尻のしまりを強くする訓練をご紹介いたします。 これによって改善の効果が期待できますので、少しでもお尻のしまりが悪いかな?と思ったら実践してみてください。
ご自身が行う場合、肛門のしめ方がうまくできない方もいらっしゃると思いますので、一度当院を受診されることをおすすめいたします。具体的なしめ方をご説明いたします。
おしりの穴を約2秒間ぐらいぎゅっとしめて緩めることを、1日に合計50回以上行います。
ただし続けてぎゅっとしめるのは10~20回ぐらいに。
しばらく休んでから、また10~20回ぐらいしめます。
これを数回繰り返して合計50回以上とします。
一度にまとめて50~100回しめる方法では効果が出にくいです。
この訓練は、立っている時、座っている時や横になっている時(就寝時など)に行います。もし、お尻の穴をしめる感覚がわからない場合は、自分の指(4cmくらい)を肛門の中に入れて、その指をしめる感覚で行うと良いでしょう。
この訓練をできるだけ毎日行うことで、3~6ヶ月ぐらいで効果がみられることが多いです。すでに、おならや便が漏れる状態でしたら、この訓練を毎日150~200回ぐらい行うことで症状が軽くなったり、ほとんど無くなる方もいらっしゃいます。
すでにかなり弱くなった肛門括約筋の筋力トレーニングのために一気に強く刺激すると筋肉をかえっていためてしまうことがあります。少しずつ間隔をおいて行ってください。
①散歩しながら②料理をしながら③体操しながら④運転しながら など肛門に神経を集中できない時のトレーニングでは、あまり効果が期待できません。
この、肛門のしまりの検査(肛門内圧検査)は、当院で行っています。ご自身の肛門の訓練の結果を知るためにも、ぜひ検査を受けてみてください。
検査をご希望の場合は、まず当院にお電話(029-857-7373)にて検査日をご予約ください。また、お尻のしめ方がわからない場合は、その方法も具体的にご説明いたします。
お尻のしまりが悪くなると社会生活が極端に制限され、家での閉じこもりなどの原因にもなります。とくに女性では肛門の長さがやや短く、出産による負担(難産・多産)で若いうちからしまりが悪くなったり、高齢になると便失禁だけでなく肛門から直腸が手拳大ぐらい出てくる直腸脱になり、さらに日常生活が困難になることがあるため、早めに検査を受けておいたほうが安心です。
なお、お尻のしまりを悪くする習慣としては、過度の便秘でいつも排便時に強く力んだり、刺激物(アルコール、香辛料)の摂取による頻回の下痢などでいつも肛門に負担をかけることや、草取りや畑仕事など長くしゃがんだ姿勢で、お腹を圧迫してお尻に負担をかけることなどが挙げられますので、それらを避けることが大切です。