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コラム 痔瘻の治療

痔瘻の治療

肛門疾患のなかでも痔瘻ほど歴史の古いものはありません。紀元前20世紀の古代バビロニアのハムラビ法典紀元前16世紀のエジプトのエーベルス・パピルスや紀元前13世紀の古代インドのススルタ・サムヒタに痔瘻の記載があり、そのなかには現代医療でも行われている治療法(結紮術)が載っているようです。
現在の痔瘻の治療法は今世紀初め頃からヨーロッパで行われ始めた手術法がもとになっています。その手術の要点は術後の肛門機能不全(たれ流し)を起こさない範囲で痔瘻の病巣を切除するというものです。以下に現在の痔瘻の考え方をあげます。

1.痔瘻の定義
痔瘻とは肛門より2cmぐらい奥にある肛門腺(通常4~8個ある)に糞便内の細菌が侵入して炎症をおこし、膿が溜まって肛門近くにおできのように膨らんで出てくるものです。時に急激に炎症が進み、38度以上の発熱と肛門の強い痛みを伴って発症することもあります。

2.起炎菌
昭和30年代ぐらいまでは結核菌による痔瘻が全体の10~20%と多く見られましたが、肺結核の減少により今日ではほとんどが大腸菌の感染によるものとなりました。

3.誘因
軟便や下痢便の人に多く見られます。とくにアルコールの過飲、大腸の炎症(クローン病、潰瘍性大腸炎等)がある時はおきやすいです。

4.性差
男性は女性の5倍の頻度でおきます。とくに乳児で痔瘻がみられるのはまず男の子だけです。

5.経過
稀に10年以上放置していると痔瘻から癌が発生することがあります。また、痔瘻がだんだん進行して直腸や肛門が狭くなることや、排便困難を生じることもあります。

6.治療
痔瘻は薬の服用や坐薬の使用では治りませんが、急に腫れて痛くなった時は抗生物質で炎症を一時的に抑えることはできます。
古くから行われている治療としては、痔瘻に糸を通して縛って治す結紮術がありますが、再発率が高いため今日ではあまり行われません。もっとも確実に治すのは手術で病巣を取り除くことです。ただし、かなり進行した痔瘻で病巣を完全に切除しますと肛門括約筋も損傷され、糞便のたれ流しになることがあり、それを避けるために種々の手術法が考えられています。

 

 

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